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2024/04/09
感性を育てよう!〜教本のお話し〜
日本で販売されているヴァイオリンの教本(テキスト)で一般的なのは、
篠崎ヴァイオリン数本シリーズ(幼児版がピンクで1巻が赤、2巻が緑色)、新しいバイオリン教本シリーズ(いわゆる白本)、
ホーマンのヴァイオリン数本、
鈴木メソッドの教本などがあり、
どれも著者の先生の思いが詰まった素晴らしい教本だと思っています。
私は生徒さんの年齢により使う教本を使い分けています。
大人の生徒さんには白本やホーマンをよく使っています。篠崎で練習している生徒さんもいます。
小さな生徒さんには「バイオリンランド①」からはじめることが多く、
その次に、数年前にやっと日本語訳になり全音楽譜出版から販売されている「サスマンスハウスはじめてのヴァイオリン教本」シリーズを使用しています。
この教本が他の教本と違うところは、同じ指使いをお隣の弦でも練習していく、という練習曲が並んでいて、4本の弦を同時進行で学んでいくことができるところです。
4本の弦を同時に学ぶことのメリットは、たくさんの音を同時に学んでいくことで、譜読みにつまずきにくくなること、
移弦の練習がいつもできること、
5度音程の関係をなんとなくだけど、はじめのうちから理解していけることなどです。
そしてこれがなんといっても際立っているのですが、
4弦の音の違いによって感性を育てることができることです。
5度音程違いなので、短調でも長調でも伴奏できちゃったりします。
先日のレッスンで「だれが窓をたたくの?」というタイトルのそれぞれA線のラ、D線のレ、G線のソから始まる3曲を練習中の生徒さんに、
「だれが窓をたたいていると思う?」と聞いたところ、
「G線は大きなくまさんで、
A線は小さなうさぎかな?
D線は、う~ん、中ぐらいの動物だからね、う〜ん、羊!」との答えが返ってきました!
音の高さによるイメージの違いを感じて弾いているんだなと思い、うれしくなりました。
音楽は平面の楽譜に書いてある音の並びを、立体的に表現していくところに醍醐味があります。
作曲者の時代背景を理解し、楽譜にある作曲者の思いや意図をできる限り汲み取り、
さらに自分が感じていることを合わせて表現していくことです。
楽しいけれど奥が深いことなのです。
作曲者の気持ちを表現するためにはまず、自分が今感じていることに気がつくことも大切です。
楽しいこと、悲しいこと、それを自分が理解して言葉にすること。それを受け止めてくれる環境があることで安心すること。
楽器を弾くことと同じくらい、感じる気持ちを大切にしていきたいと思っています。